第7夜 『予想通りに不合理』 ~人間は合理的に選択できるのか~
今回は行動経済学者のダン・アリエリーの著書『予想通りに不合理』について紹介します。
おすすめポイント
この本はこのような人におすすめです!
・合理的に選択・行動できているという自信がある人
・なんであんなことしたのだろうと選択に後悔しがちな人
・行動経済学に興味がある人
行動経済学の面白さ
行動経済学という分野をご存じでしょうか。経済学というと数式を駆使するマクロ経済学やミクロ経済学が一般的ですが、それとはある意味対極にある学問です。
前者は人間は合理的に行動するはずだから、それを前提に理論を組み立てています。神の見えざる手などは典型的です。
一方行動経済学は、人間の行動は本当に合理的なの?という部分に着目している学問です。実験を中心としていてもう少しとっつきやすいテーマが多いです。
本書はそんな行動経済学について読み物形式で内容を説明している本です。
面白いと思ったエピソードを一部紹介します。
友人や知人のためにあることをやってあげたり助けたりということはよくあります。対価をもらわなくても、友達のためと思ってやってあげることは気分のいいことであります。
では、それに対して対価をもらうとどう思うでしょうか?お金のためにやったのではないのに・・・という感情がわいてくるかもしれません。"合理的"に考えると、お金をもらえるほうが勿論いいのにです。
このことについて本書ではこのように書いてあります。
わたしたちは二つの世界に住んでいる。一方は社会的交流の特徴をもち、もう一方は市場的交流の特徴を持つ。
いわれてみれば当たり前のような気もしますが、納得感のある説明です。そのように思えることを学問として説いているのが行動経済学です。
まとめ
・人間は合理的に選択していると思っていることでも実際にはそうではないことも多い。
・合理的に考えることができないということを認めたうえで、自分の選択を見つめなおすということが大切だ。